阿蘇の食卓

阿蘇から生まれる
大地のまかなひ

あか牛 産山村

洗って表面の薄皮を剥ぎ、好みの長さに切り揃えて食卓へ。ザクザクとした歯応えがあり、阿蘇谷の秋の味として親しまれている。

阿蘇エリア

草原の営みと恩恵

あかど漬け 阿蘇市

大地が育てる“赤い”漬物

阿蘇市に住む人々に秋の到来を告げる漬物がある。阿蘇の火山灰土壌によるものともいわれる深くて鮮やかな赤い色をした“あかど漬け”だ。昔から各家庭で栽培されてきたあかど芋の茎で作る郷土料理で、味わえるのは9月下旬から1月にかけて。ざくざくとした歯ごたえと、噛むごとに口中を満たすほどよい酸味 が特徴だ。地元では生姜醤油で食べることから、「畑の馬刺し」とも呼 ばれている。

あかど芋は、毎年3月~4月に種芋を植え付け、9月のお彼岸頃から収穫を始める。茎を洗って塩で揉み、 一晩経ってしんなりしたら桶に移して重しをする。10日ほど動かさず、 上がってきた水分を丁寧に除いていくと鮮やかな赤い色になるという。 あかど漬けを商品化することで守りたいと、地元農家の女性たちが立ち上げた「阿蘇おふくろ工房」の代表取締役・鎌倉美和子さんは、「扱う 人の手によって色の出方が違う」と言う。「色が出るようお神酒をふったりしますが、なかなか思うような色になりません」とも。その繊細さ 合わせて味わいたい逸品だ。

大きく育ったあかど芋を収穫

大きく育ったあかど芋。見た目は里芋だが、茎が赤いのが特徴。茎も大きいので、漬物を作る工程もなかなかの重労働。

直径約5cm、1mほどに育つ芋の茎でつくるあかど漬け。親芋は大きくて固い。おでんの具にするとおいしいとか。

大きな芋の茎から作ったあかど漬け
阿蘇おふくろ工房の鎌倉美和子さんと取締役の五嶋千枝子

阿蘇おふくろ工房の鎌倉美和子さん(左)と取締役の五嶋千枝子さん。工房では、無添加の高菜漬けや納豆なども製造。

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